住宅の構造には、木造や鉄骨造、鉄筋コンクリート造などのさまざまな種類があります。台風や豪雨被害の多発、そして地震大国でもある日本の住宅において人々から長く愛される木造建築にはそれなりの理由があります。木造住宅の特性についてメリットとデメリットを理解しながら、木造が選ばれている理由をご紹介します。
そもそも木造住宅とは?
木造住宅とは、土台や壁、柱といった構造体に木材を用いた住宅のことです。木材には、杉やヒノキが採用されることが多く、木のほのかな香りが立つのも木造住宅ならではの魅力です。
日本では古来より神社仏閣を含め数多くの建物に用いられてきました。
木造住宅のメリット
・低予算に抑えられる
木造住宅は1坪あたり50〜60万円、鉄骨造は70〜80万円、鉄筋コンクリート造は70〜100万円と言われています。鉄骨造や鉄筋コンクリート造の家に比べると、木造住宅は建築費用が一番安く抑えられるといえます。
・断熱性に優れている
木材は鉄に比べて熱を通しにくく、断熱性が高いというメリットがあります。木造は外気温が室内に入り込むのを防ぎ、暑い夏も寒い冬も快適に過ごすことができます。
・地震の揺れの影響が少ない
木造は鉄骨造や鉄筋コンクリート造に比べて柔軟性があるため、地震の揺れにも強いとされています。また、鉄骨に比べて軽量なため、地震の揺れの影響が少ないと言われています。
・リフォームを見据えた設計計画が立てれる
建築の自由度が高いため、広い空間をつくれたり、間取り設計も柔軟に行えるのが特徴とされています。ライフステージに合わせたリフォームなどもしやすいため、将来的にカスタマイズを考えて計画ができます。
・調湿性があるので自然の天候になじんで暮らせる
木材には周囲の湿度に合わせて水分を吸収したり、反対に放出したりする天然の調湿効果が備わっています。梅雨などの湿気が多い時季には空気中の水分を取り込み、冬季などの乾燥しやすい時季には水分を放出してくれます。四季があり、高温多湿な日本において、古くから木材が重宝されてきた理由のひとつでもあります。
木造住宅のデメリット
・多くの柱や壁を必要とする
間取りの変更や増改築といった柔軟性に優れる一方、構造上取り除けない柱や壁があるため、場合によっては設計が制限されてしまうケースもあります。
・職人の技量に左右される部分が多い
木造住宅は木材を現場に運び、その場で組み上げて建築していきます。部材によって職人が加工することもあるため、担当者の技量や施工会社の方針によっては、品質や仕上がりにばらつきが生じることがあります。
まとめ
木造住宅が多くの人に選ばれているのには、建築費用が安いというメリット以外にも、安心して快適に住むことができる理由がありました。
耐震性に優れていながらも、間取りやデザインの自由度が高い工法も魅力の一つです。災害がいつ起こってもおかしくない日本において、デザイン性にもしっかりこだわりつつ、地震や災害からしっかり守ってくれる家選びをお勧めします。